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2017/11/13

ビル・トッテン邸訪問記

| by 第2学年
2年6組 菊地倭斗

 

 2学年の京都方面の修学旅行の3日目は班別自主研修でした。私達有志の生徒17名と校長先生を含む引率教員3名の合計20名は、ビル・トッテン[Bill Totten]邸を訪問させていただきました。修学旅行に行く前に近藤先生がよく授業中に、ビル・トッテンさんの話を諸々してくれました。その話によると、ビル・トッテンさんは、現在従業員1000人規模のコンピューターソフトウエアの会社『アシスト』を設立された方で、その会社の代表取締役会長です。アメリカ生まれのアメリカ人でしたが、日本にアシストを設立し、古き良き日本を愛し(現在の日本にはいろいろ物申す事があるようです。)日本の国籍を取得して日本人となった方です。京都の賀茂川沿いの閑静な住宅街の大きな邸宅に住んでおられます。日本とアメリカの関係や、政治・経済に関する著作物も多く、度々マスコミにも登場されてきた方との事です。

そんな、ビル・トッテンさんは、大きな会社の経営者らしく、家のお庭にテニスコートを作ってテニスを楽しんでいたそうですが、暫く前にそのテニスコートを潰して、家庭菜園にし、有機無農薬栽培を始めたのです。

私たちの訪問の目的は、そんなビル・トッテンさんの菜園を見学し、何故京都の住宅地の庭に菜園を作ったかを知る事でした。そして、その大きな邸宅に入って、トッテンさんの生活も垣間見てみたかったのです。

実際にトッテン邸を訪問してみると、自分で勝手に思い描いていた家庭菜園のイメージを遙かに超えていました。所狭しと栽培されている野菜や果樹は勿論のこと、なんとミツバチの養蜂もしていました。人糞や馬糞を集めてきて熟成肥料を作る小屋もありました。極めつけは兎を飼育し、自分でさばいて、兎の肉も食用にしているとの事です。最初に通されたガレージにはとってもかわいいウサギが何匹もいました。かわいそう・・・・と思うのは薄っぺらなセンチメンタリズムでしょう。誰がさばくかの違いはあれ、肉食とはそういうものです。・・・敷地に入った瞬間から考えさせられるものがありました。「家庭菜園」と言うにはあまりにも本格的過ぎて、マニアックな拘りの専門農家にも匹敵すると感じました。どこか文化の違う遠い別世界に来たのかと錯覚するほどでした。

 もし、日本の全土で、ビル・トッテンさんのお庭のような自給自足の菜園を作れば、極端に食料自給率の低い(現在、40%未満)この日本でも、100%以上の自給率を達成できるのではないかと思います。このようなトッテンさんの姿勢は、食糧自給だけでなく、色々な資源に関しても、国内の自給率を高めることが出来るのではないでしょうか?現在問題となっている日本の借金さえも減らせる・・・と感じました。私はこれを「ビルノミクス」とでも呼びたいと思います。

 庭の菜園を一通り案内して頂いた後、大きな家の中に入れて頂き、私達の拙い質問に答えて頂きました。事前にトッテンさんの著書『「年収6割でも週休4日」という生き方』を読んだ上で、私達の質問を送信していたので、その質問に真摯に答えて頂きました。会社の経営者としての姿勢や会社の在り方、現代社会の問題点、今後進むべき方向など多方面にわたってお話下さいました。

  『「年収6割でも週休4日」という生き方』の表紙には、会津のマスコットキャラ「あかべぇ」を胸に付けているビル・トッテンさんが写っていたので、その事を質問した生徒がいました。トッテンさんの回答は、トッテンさんの会社、アシストの製品を納入している会社が会津にあり、そこから頂いたものであるとの事でした。3.11の東日本大震災以降ならば、福島県を応援する為にそんなこともあっても不思議ではありませんが、震災以前に出版された本の表紙に、あかべぇを胸に付けて写っていたトッテンさんには、会津に住む者として不思議な縁を感じました。

「将来的に、AIやロボットに仕事を奪われた人々は、どうやって収入を得て、暮らしていけばいいか」

と言う質問に対しては、現在の企業の大多数が、効率、利便性を求めるあまり、機械、AIやロボットの需要は高まり、人間の仕事を奪っていくのは確実でしょう・・・と述べていました。その上で、国民の生活については政府が保証すべきであり、そういった不安を抱かなければならない社会はおかしい、AIやロボットが稼いだお金はその保証に分配すればいいとおっしゃっていました。企業はあまり儲け過ぎず、過剰な儲けは社会に還元すべきであるとの考えには感化されました。現代の経営者の多くが失ってしまった経営哲学なのかも知れません。

 

その後、現在のマスコミは、スポンサーの企業に気を遣って、自由な報道が出来ないのでマスコミの情報は信頼できない。信頼できる情報は、ネットで自分で探さなければならないという事や国民主権の民主主義を守るために、選挙に参加することは勿論、国民がもっと政治に関心をもって政治を見て行かないと、日本も大企業に好き勝手なことをされてしまう・・・などという事を話されました。更に有機無農薬農業や自給自足的生き方の大切さも強調されていました。


 本校から送った質問事項はもっと沢山あったのですが、唐突に、トッテンさんは「私の話はこれで終わりにします。せっかくいらっしゃった京都には、見たいところも沢山あるでしょうから、そちらに見学に行って下さい。」と、私達に気を遣っておっしゃいました。私はもっとお話をお聞きしたい気持ちもありました。するとトッテンさんは、「私と一緒にニンニク堀りなど農作業を手伝う方は残って下さい。」と、冗談をおっしゃいました。私は個人的に「残ってお手伝いするのもありかな・・・?」とも思いましたが、同じ班の人との見学計画があったので、後ろ髪を引かれながらも、トッテン邸を後にすることにしました。最後に記念写真をみんなで玄関前で撮って、解散となりました。トッテンさんは賀茂川の堤防まで送って来てくれて、それぞれの班の行先の道を案内して下さいました。 
 

会社を一から立ち上げて成功したビジネスマンが、豪華海外旅行やゴルフ、高価な物品の収集と言った、お金持ちに有りがちな趣味に高ぜず、逆に庭のテニスコートを潰して家庭菜園を作り、自給自足的な生活を送っていました。だからと言って、達観した仙人みたいな隠遁生活をしている訳でもなく、政治、経済に深く精通し、社会の在り方に対し大いに物申す方でもありました。短い時間でしたが、そんなトッテンさんの生き方、考え方を、直接肌で実感した訪問でした。

今回のビルトッテンさんのお家の訪問は、通常の京都の修学旅行のコースにはない非常に特別な体験でした。何年も経って、今回の修学旅行を思い出すとき、ビルトッテン邸の訪問が一番の思い出になるのかも知れません。


16:37 | 報告事項

1学年より

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2学年より

 昨日9月6日、3年に一度の校内ミニ文化祭、”松操祭”が開催されました。ギター・マンドリン部の発表に始まり、有志によるビブリオバトル(推薦本をどれだけ魅力的に紹介できるかを競う知的バトル)、演劇部、吹奏楽部、合唱部の発表などが行われ、会場は大盛り上がり!美術部の作品も展示され、会場に華を添えてくれました。
 2学期になり各部活動とも3年生が抜け、2年生が主体となった今回の松操祭でしたが、企画・運営をしてくれた生徒会も含め2年生の活躍が輝いていました。
 昨年の公開文化祭を経験している2年生からは、今回は”ミニ”文化祭ということであまり期待していないという声もありましたが、終わってみると「想像以上だった」と興奮さめやらぬ状態でした。
 中間考査、修学旅行と大きな行事が続きますが、2学期最初の行事をいい形で終えられたと思います。
 

3学年より

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